彼女に捧げる新世界


「まぁ………すごい技術」


「シートベルトを留めるぞ、事故は起こさないよう注意するかが安全のためだ」
「わかった」



カチリと小気味良い音がして、少しだけ体が固定される。

なんとも不思議だ………。

隣のカイトもシートベルトを締めると、ポゥっと光る画面がたくさん浮かんだ。


『おはようございます、オルワンド首相。

本日はどちらに向かわれますか?』



女性の声が響き、キョロキョロとすると出所は車のようで、また驚いた。


「喋ってるわ!!?」

「ん?あ、ああ……。ナビゲーション、案内のようなものだ。

これも大元はエルファリアのもの」


「エルファリアはなんでもありね……」




ミラは少し引きながら呟いた。


彼女の様子を気に留めることもなく彼は機械に話かける。





「ちょっとしたドライブだ」

『かしこまりました。運転はいかが致しますか?』

「自分でする、マップを表示してくれ。

ナビゲートはいらない」


『了解しました。指示を実行します、お気をつけて』





< 35 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop