彼女に捧げる新世界
機械仕掛けの少女
私は世界中に広がるネットワークの海を自由に進める。
知りたいものはどこかの引出しに必ずあって、新しい情報は勝手に蓄積されていく。
そんな私は彼の秘密を知る数少ない者だろう。
共犯と言えば、YES。
同志かと言えば微妙……。
私の秘密を知る者も数少ない。
知られれば、大変な事件になるだろう…………。
理由はいくつかあるが、彼を観察していたある日、見た。
計測不能な何かを纏う少女を。
力なのか、それさえ不明。光にも似た何か。
少女は既存のデータには存在しない人間だ。
そう、世界中の人間から。
登録されていない人間もいるが、そういったタイプは限られている………。
裏の人間……。
だとすれば堂々と都市内を歩く事はないはず。
考えられるものは全てあてるが、当てはまらない。
私は少女をいろんな角度から見つめる。
未知の探求は人間の性。
私がすべき事ではないのに、彼女を見ていると可能性の低い解ばかり出てくる。
否定を続けるけれど、不安は日々募っていった………………。