彼女に捧げる新世界
機械と言っていたはずなのに、エルファリアは人の姿で現れた。
ミラが硬直していると彼女は人の様に笑う。
「驚くのも無理ないわ、人の姿でしょう?」
「う………うん」
「ここはネットワークの中なの、だから好きな姿をとれるのよ。
本体は奥、私は欠片のようなもの」
わかりやすく言っているのだろうが、動揺が勝りうまく理解できない。
先ほどの感覚は機械の中に入ったということか……?
じゃあここが……?
エルファリアは一体……。
考え込むミラを置いて、彼女はカイトに向き直る、
「警告の意味がわかりますか?
あなたの行動は不可解です。
夢を見るよりも、現実を見つめ統治して頂きたいものです。
その行動の結果、未確認エネルギー、不可解雷因子が上空に停滞しています」
「………さっさと案内しろ。説教を受けに来たわけじゃない」
不穏な空気の中、ミラはぼんやりと彼女の言葉を考えた。
未確認のエネルギー、それは初めてカイトに会った時も言われた言葉。
そして、雷因子。
雷を纏う人はミラの中では一人しか浮かばない……。