彼女に捧げる新世界




ネットワークの中は、不思議な世界が広がる。


草むらだったり、海だったり、砂利道だったり………。

どんどん奥に進むと、また景色が変わった。



そこは天も地もない真っ白な空間………。



浮いているのか、立っているのかも不明なまま、前にいるカイトが止まる。


それに合わせてミラも止まると、先導していた少女が泡のように消えた。



「エルファリア、俺だ。

技術者たちを慌てさせてまで呼び出した理由を聞かせてもらおう」



よく通る声が響くと、少し前に細い足から順に人の姿が出来上がっていく。


砂のように何かが集まって出来ていく体は女性で、歳はカイトやミラとそう変わらないくらいだ。



ぴったりとした白い衣服には、赤いボタンがアクセントになり目を引く。

ふんわりした金髪がうち巻きで広がり、長さは背中くらいだ。



衣服と指先が繋がっているのか白い手袋に包まれる細い指先。


スカートになっているのか足は素足で、青白い。


真っ白な肌、閉じられた瞳を彩る金の睫毛が弱く震えた。




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