彼女に捧げる新世界
光る森
愛してるよ、
ミラ……………。
「ニルっ!?」
一瞬だけ聞こえた声にカッと目を見開くと、どこかの森の中にいた。
ミラは必死に周辺を見つめ目を凝らすが、人影は見当たらない。
弱い風の通る音と、木々の葉ずれのかすかな音のみが響く。
ひどく静かで、心臓の音だけがはっきりと耳を打つ。
確かに聞こえた。
けれど………
空耳だったのだろうか?
少しずつ冷静になりながら改めて周辺を見ると、空気の匂いも木も花も、土も、違う匂いがした。
自分の知るものではない。
一体ここはどこなのだろう??
闇に包まれたまでは覚えているが、その後はわからない。
どうすればいいのかわからないが、このままでもいられない。
ミラは不安を感じながら歩きだした。