彼女に捧げる新世界
「天使、神、魔王、悪魔………それらは人が作り出した幻想でしょう?
精神科医を紹介しましょうか……?」
呆れた声に余計に腹がたった。
「存在するわ!少なくともわたしがいた世界ではっ!」
「では呼んで下さいますか?」
「………っ!!」
ニルはいない。
証明したいのに……!
ミラは唇を噛み締めてうつむく。
すると、スッとカイトの手がミラを下がらせた。
「いいさ、何とでも言え。
近いうちに証明してやる、魔法とやらは使えないが………魔王を呼んでみせるさ」
「どうやって?
幻想よりも現実を見て下さい。
あなたが守るべきものはわかっていますよね?」
彼は迷う事なく彼女を見つめ、不敵に笑った。
「国民なら法に守られている。
都市は俺が発展させる、そうだな………明日だ。
新月の夜に決行する」
何を………?
ミラの視線を無視し、カイトは彼女だけを見つめる。
彼女はスゥッと視線を細めて言った。
「明日はだめです。低気圧が接近して、落雷の警報を発令していますから屋外は危険です」