彼女に捧げる新世界


「あるよ………けど、それは」

「それが“大きな”ヒントだ」



強調された部分が気になる。

しかしその意味がよくわからずに首を傾げたら、カイトはニヤリと笑った。



「魔王が消えたと言ったな?」


「うん……」


「その印を付けたのは魔王だな?」


「そう………だけど」



何が言いたいの?

その確認は何のため?


意味深な言葉にいろいろと考えながら彼を見つめると、次の瞬間に笑みが深くなった。




「本当の意味で魔王が滅びたならその印は消えているはずだ。

基本的に奴らは不死身だろう?

傷を与えられる者などそういない…………」



つまり…………、





魔王は存在している。





「っ!!!!!!?」





彼の見解は心臓を止める衝撃だった。

現状を根底から覆す解。


頭が真っ白になった………。






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