彼女に捧げる新世界
どんよりとした雲、暗い気持ちが更に暗くなる。
それでも、言える事は言わなければならない。
今じゃなければならないだろう………。
ニル、
期待が半分、あの絶望が半分………。
複雑な心境だ。
本当は泣きたかった。
子供の頃のように何も考えないで…………。
優しい仕草、言葉、手……忘れたりなんて出来ない。
彼がいない世界は真っ暗だから。
凍てつく心と体は暖かさかに飢えている。
会いたいと望み続け、叶わなくても叫びは止められない。
雷鳴の響く音を聞きながら、どこか意識が冴えていくのを感じた。