彼女に捧げる新世界
闇との邂逅
パサリ、と何かが落ちた。
そのままパサパサと音が続く………。
何かはよくわからないままそれを拾った瞬間、何かを悟った。
それは羽で、艶々しい黒に輝き深い色をしている。
ミラとカイトは寒気に襲われながら、ゆっくりと上を見た。
「「!!!?」」
あれは………一体?
硬直した体は動かず、目だけでそれを確認する。
夜の闇にぽっかりと浮かぶ漆黒の球体。
ミラでさえ初めて見たものだ、カイトならさらに驚いているだろう………。
じっと見つめていると、それの形が変化し、
円だったものが皮を剥くように翼に変わっていき、開いたそれに光を纏っていく……。
ああ、この光……。
涙が溢れた。
ミラにはわかった、たとえ形が違ってもこの球体は“彼”だと。