彼女に捧げる新世界



「………あなたの機嫌など私の知った事ではありません。

立ち去りなさい、悪霊」


毅然とするエルファリアはニルに悪霊と言い放った。
おそらくは計測の出ない存在であるから、そして彼の放つ不可解な力からだろう。


クッと笑う気配がして見上げれば、ニルは牙を覗かせて笑っていた。



「大した女だね。俺を悪霊などと呼ぶなんて、

人間でも動物でもないお前に霊的なものを何故理解できる?」



機械は不明確なもの確信しない。

表示できない存在は現さず、沈黙する。



お前こそ何者か?


ニルは冷静にそう考える。
来たばかりの世界の情報全ての把握は難しい。


人間よりも遥かに早く理解できるといっても、流れこむ知識から必要なものだけを拾い、繋げていくのも億劫だ…………。




確信を突いたのか彼女の表情が変わった………。




< 71 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop