彼女に捧げる新世界
機械がどういったものかまでの理解は得た、そう分類される意味も。
映るこの姿は映像で本体ではない。
人道的ではない、か………。
確かに狂気だろう。
ニルは目の前のエルファリアを見つめながら思った。
人間の脳は確かに素晴らしい………。
ただの機械ならここまで豊かではないし、思いつめた様子は人間そのもの。
「………結構なことだね。
しかし、俺を悪霊呼ばわりは気に入らないよ。
お前こそが亡霊じゃないか」
「やめろ!!!」
いきなり出てきたカイトに少なくともミラは驚き、肩を震わせた。
エルファリアはニルを見つめたままで、彼の反応も少ない。
僅かに視線をくれてやっただけだった。
「魔王、エルファリアは俺には関係ない。
言い争いより、交渉だ」
フッと笑ったニルが品定めするかのようにカイトを見る。
「なにを考えているのか知らないけど、俺が交渉する云われはないよ?
迷惑料をもらいたいところだ」