彼女に捧げる新世界




相手は怪訝な顔で自分を見つめる。


でもそんなことがどうでもよくなるくらい、愛する彼と同じ顔だった………。



「ニル……?」


「目の色が違う………変えたの?」


「なんの事だ?この色は生まれつきだし、お前など知らないな」



え…………?



一瞬高揚した気分が一気に下がる。


彼だと思った分だけ悲しくなった………。



彼なら、こんな事は言わない。

自分をこんな目で見たりはしない。


それに彼はもう………いない。



うつむきながら呟いた。


「人違いです、ごめんなさい……」



あまりにも似ているから、見るのが辛かった。



「………何者だ?ここは人が暮らす地ではない。

その装いもそうだ」



冷たい声………。


そう思いながら、質問に答える。



「わたしはミラ、気付いたらここにいて………歩きまわっていたの。

ここはわたしの知らない場所、服はここに来た時と同じよ?」



この女は意外と冷静だ。

銃を突き付けられているのにも関わらず動じない。


面白い存在だ………。



「ではどうやってここへ来た?

そういった服装は現代にはない」
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