彼女に捧げる新世界
醜い首相が檀上に上がり、民衆に汚い笑みを向ける。
軍学校の制服は本当に便利だ。
何の疑いもなく武器の携帯を許し、素通りさせるのだ。
恐らくは警備の実習くらいにしか思われないのだろう。
奴を見ると、頭の中の誰かが“殺せ”と囁く。
誰の声でもいい………。
緊張もなく体が動くなら。
奴が口を開く、
その瞬間、
銃声が響き渡った。
恐怖に凍り付く市民、驚愕に目を見開く警備員、銃を向ける軍隊、呆然とする報道陣………。
俺は、静か檀上に上がり軍帽を脱ぎ捨てマイクを拾った。
この時、全ての視線が自分を捉える。
さぁ、革新だ。