脱力くんの話によらず

由香がどうして
この男を好きになったのか
全くわからない。

やっぱり人の好みって
それぞれなんだね。

−痛感。

ってそう思っているうちに
住田くんはさっき買ったらしい
マンガを読みはじめている。

「ちょっとレディーの前で
マンガ読みはじめるって
どーゆーこと?」

「千江さんここで
待ってれば?」

「う」


だんだんこいつの
ペースに持っていかれて
いるような…。


私は窓から見える
駅の改札口へ視線を向ける。

来そうな気配は全くない。

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