音のない世界
入学式
「あぁ、よかった」
"どうしたの?"
「羽菜と同じクラスだっ」
"ほんとに!?
よかったー"
「あれ、
海斗じゃんか!」
海斗は振り向いた。
「おぅ、平汰ー!」
"だれ?"
「えっとね…」
「潮崎平汰!
海斗と小学生のとき仲良かった!
今も親友だ♪
よろしくね!」
私は首を傾げた。
何言ってるか、わからない…
「…平汰」
「羽菜、耳が聞こえないんだ
ゆっくり話すとかして」
「ああ!この子が羽菜ちゃんね!
ごめん、ごめん」
私はノートとペンを
彼に渡した。
(潮崎平汰。12才
海斗の親友!よろしくな)
私は読み終わると
平汰に笑いかけた。