闇に潜む‐もう逃げられない‐
「でもさ…」
DがAの答えを遮る。
「誰もいないのに人が消えるなんて変じゃないか?」
人が変わったかのような高い声を出した。
Dの豹変ぶりに誰一人として口を開く者はいなかった。
Aが静かに本を閉じた。
小さな本の閉まる音がした。
「…だったらさ、確かめに行こうよ。」
「Aくん…!?あの森に入るってこと?」
みんなの話をただ聞いていたCが声を荒げた。
「そんな怖がるなって!ただの噂なんだし…」
「…だけど、もしあの森の噂が本当だったら…?」
この中で一番怖がりなBが訪ねた。