心燃
大会も近くなり部活もより一層励むようになった。
1年生が入って初めての大会だ。
リレーメンバーも一時1年生を入れるという話も出たが、いつものメンバーと出来てうれしかった。
私はアンカーを勤めていたが、それも今回が最後ということがわかっている。
遥がいるからだ。
遥は県大会に出場するほどの早い選手で私みたいな、普通よりか少し早い選手とは全く違う。
歯が立たない。
私は素直に遥を尊敬しているが、遥のほうはその真逆だ。
私を相当嫌っている様子。
というか、嫌っているんだ。
それは仕方が無い話なのだけど・・・。
やっぱり、足の速い選手がアンカーを勤めるのは当たり前のことだから、私はこれから第二走者目として頑張らなきゃいけない。
最後の、アンカーとしても。
考えてみれば、私はリレーに関しては凄く強運だったのかもしれない。
まず、短距離の先輩がいなかったからリレーのチームにすんなり入れた。
そして、1年生しかいないチームなのに決勝に残るほどだった。

個人競技はというと今までいい結果を残した思い出がない。
100mも200mも・・・。
やっぱり実力はいまいちだし、陸上部としては足がものすごく遅い。
でも、陸上部には
「大丈夫だよ、おしおし」
「ファイト」
そういう風に声をかけてくれる友達がいるやっぱり居心地がよかった。
私も、そういう風に精一杯応援した。
陸上部は、私にとっていつでもいやすい場所だった。





が・・・。


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