シンデレラと狼くん
1
地味な私
「菜々ーっ」
振り返ると私の親友が手を振ってやってきた。
「おはよ沙希。人がいっぱいなのによくわかったねー」
通勤ラッシュで人が多い中、一緒に改札口に行きながら話していた。
「だってそんな髪型と制服きっちりしてるの、うちの高校であんたぐらいよ?」
‥‥‥‥う゛っ
「どうせあたしは沙希みたいに可愛くないですよーっ」
「違うって!菜々も制服着崩してお洒落すれば絶対可愛くなるのにー!」
「見え透いたお世辞ありがとー」
拗ねるあたしに沙希は必死に弁解している。