可愛くてごめんなさい。
校内をウロウロしてたら急に背後から声をかけられた。





「ねぇ、君。」





(うわ、私に言ってるっぽい…
けど無視しよ…)





「ちょっと、君!
部活に興味ない?

俺、弓道部なんだけど
今部員を募集中なんだ。
君みたいな可愛い子は歓迎するよ。」



…………………


(はぁ?!
私の前に無理やり回りこんで何をぬかすんじゃ!!

…おっ!
まぁ、顔は合格かな…)





とりあえずここは…





「あっ
ありがとうございます。
弓道部…ですか?
すごい伝統的な部活があるんですね。
考えておきます。」



私はにっこりと微笑んで返事をした。





「分かった。
それならすぐにじゃなくて良いから、
入りたい時には声かけて。」





(はいはい、いいから早く消えろよ!!)





「俺は2年の藤 隼人(ふじ はやと)
よろしく。
弓道場は校舎裏にあるから、
またいつでも見においでよ。

じゃ バイバイ。」





そう言い残し、
藤先輩とやらは笑顔で校舎に向かっていった。





(……ちゃっっっらいなぁ〜。
ったく誰が行くかよ、
そんな面倒くさい部。)




一通り見たし、
もう帰るか。





「ふぅ、疲れた。」





帰り道の電車内では
さっき声をかけてきた先輩のチャラさを毒づきながら自宅へ向かった。
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