P.S.私は幸せです
私はふと我に返る。


そのときには私はまた彼の罠にハマっていた。


「そんなことないってことは、付き合ってもいいってことだよね?」


私に向けられた微笑みは、なんだかとても心地良くて。


確かに昨日初めて話した。


でも、それ以上に彼といたら。


ーーー安心できる。


そう思わせる何かが私を彼へと引き込んだ。


「・・・そういうことになります・・・ね?」


「じゃあ、今から敬語なしね」


「えっ・・・」


「だって彼女が敬語っておかしいでしょ?」


「そうですけどー・・・」


「あーまた敬語。敬語使うたびにデコピン一回ね」


今の敬語分、と私にデコピンする。


力は加減されていて、痛みはあまりない。


デコピンをされて嬉しいとまでは言わないが、デコピンをしてちょっと楽しそうな彼の顔にドキドキする。


ーーーー私、もうこの人に落ちてる。









こうして、私たちの長い長い付き合いは始まった。



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