P.S.私は幸せです
私たちが、ラブラブになることや付き合っていることがサークル中に広まることは、そう遅くはなった。


むしろ早いほうだったかもしれない。


私と優真は、学年が一つ違うので授業の時間帯が全く違う。


なので、一緒に帰るにはどちらかがまつことがいつもだ。


今日は私が待つ曜日。


帰っていいはずの中野繭(ナカノ マユ)と、大学内にあるカフェで時間を潰していた。


「あのさー・・・」


「なーに?」


私は繭を見つめながら、ストローを吸う。


そんな私を見て,彼女はため息をついた。


「奢ってもらえるのは有り難いんだけどー・・・」


「いえいえ」


「じゃなーくーて!!帰りたいんだけど、帰っていい?」


私を目で睨みながら訴える。


「え!?暇だから一緒にいて!!」


暇なのは美菜子だけだから、と釘を差された。


そう、暇なのは私だけ。


繭は帰れる身なのに、飲み物を奢るからと無理矢理引っ張って付き合ってもらう。


でないと一人になってしまうからである。


裏の理由としては、一般的にいうノロケ話を聞いてもらいたいからというのもあるのだ。


繭に言っていないが、完全にバレていると思う。


とはいえ、毎回付き合ってくれる繭は本当に優しい親友である。

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