i 〜アイ〜
第2話
突然、強烈な風がれみを包んだ。
「何これぇ!」
れみは反射的に目を瞑り、顔を横に向けた。
「………この匂い…」
風が納まった後に、あの匂いが漂っていた。
そのまま、目を開けると視界に、どこか見覚えのある人が広い海を眺めている。
「拓……?」
さっきまでの顔が嘘かの様に満面な笑みで、本能のまま拓に向かって走った。
「たーくー!!」
『はぁ?』
れみは拓の腕をとり一緒に回っている。
『ちょっ……お前…』
「拓っ!拓だよね!会いたかったー」
そう言い拓を力強く抱き締めた。
「ねぇ。天国ってどんな所だった?」
『お前何言ってんの!』
「え?だって天国から、れみに会いに戻って来てくれたんでしょ?」
『意味わかんねぇ』