二つの愛

告白

レストランに着いた僕は瑠璃をエスコートした。

「ここはエスカルゴがおいしいんだよ」「エスカルゴ?」「カタツムリでしょ?」「そうカタツムリ」

まもなくしてウエイターが来て、瑠璃と僕はオーダーした。

まずはじめに頼んでおいたシャンパンが来た。

「二人の出会いに乾杯」「乾杯」「あの失礼な質問ですけど何をやってらっしゃる刀の?」「ネームライターだよ」「ネームライター?」「企業の製品の名前をつけて登録商標をもらってそれで稼いでいるんだ」「へえ初めて聞いたそんな面白い仕事あったんですね」「面白いだろ」「ええ面白そう」

外はあめが降ってきた、またあめとともに美穂を思い出す、目の前の瑠璃に悪いと思いながら美穂を思い出す。

「君にそっくりな他人を知っていたんだ」「え、ああ前おっしゃった」「その方はどんな方なんですか?」「4年前に癌で亡くなったんだ」「そうでしたの」

「その方は貴方の大切な方?」「恋人だよ」「・・・・・・・・・・・」

瑠璃は一瞬涙ぐんだように見えた。

「恋人をなくされたんですね、さぞかしつらかったでしょ」「私も姉を4年前になくしました」「妙なことを急に言い出した」(確か美穂には妹がいるって聞いていた)

「ねえ、ところで君の本名フルネームでいい加減教えてくれないか?」「前園瑠璃です」「ま え ぞ の?」

美穂の苗字と一緒だ・・・・(もしや)

「君のお姉さんは美穂さんとはいわないか」
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