二つの愛
「ええ、そうですけど」「ひょっとして前園美穂君の妹?」「そうです」

(ああ、神はなんてむごくなんて素敵な出会いをくれたんだ)

兄弟だ、似ていて当たり前だ。

「1卵性双生児の姉がいました」「癌でなくなりました」

「君のねえさんだったんだね」「道理で似ていると思ったよ」「そっくりなんだ」「一卵双生児なので確かに似てますね」「双子ですから」

「そうなのか」「僕は悲しくなり、レストランで人目をはばからず泣いた
」「大丈夫ですか?」「失礼、ちょっとトイレに行ってくるよ」(まだ涙はあふれてとまらなかった)

愛してたんだ・・・・・・・・・・・・・・美穂を。


「妹がいたんだ」

トイレから戻った、「瑠璃は心配そうな顔をして覗き込む」「大丈夫ですか」

そっとハンカチを差し出した。

(まるで美穂といるみたいだ)

「瑠璃さんさあ、もう大丈夫だ」「食べようかご飯」「はい」

二人は美穂の思い出話で盛り上がった。共通の話題がはじめからあったのだ。
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