黄昏色に、さようなら。

な、な、なんで、


純ちゃんが、ここにいるの!?


脳内を、クエスチョン・マークが、団体さんで駆け抜けていく。


純ちゃんは、尚も硬直している私の様子など微塵も気にとめる様子もなく、


ふんふんふん♪ と、実にご機嫌さんで鼻歌を口ずさみながら、


高校の制服であるグレーのスラックスに長い足を突っ込みベルトを締め、


白Tシャツの上にワイシャツを着込んで首にエンジのネクタイをひっかけ、


濃紺のブレザーに袖を通し、


まだ乾ききらない髪を右手のタオルで拭き取りつつ、利き腕の左手だけで器用にブレザーのボタンをとめながら『お先ーっ』と入口に、


つまりが私が突っ立っているドアの方に歩み寄ってくる。


「なっ――、なに、その髪の毛っ!?」


思わず、素っ頓狂な声が出てしまう。


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