黄昏色に、さようなら。
視線の先、
五メートルほど離れた場所には、ダルマさんが転んだ状態でピタリと足を止めた純ちゃんがいる。
その表情は、ひょうひょうとしていて、何を考えているのか捉えどころがない。
一体、何だと言うのだろう?
言いたいことがあるなら、はっきり言ってくれた方がよっぽど良いのに。
ああ、モヤモヤする。
これじゃ、蛇の生殺しだ。
「なに? トイレ行くんじゃないのか? 早くしないと休み時間なくなるぞ?」
って、気になってそれどころじゃない。
聞いてやる。
この不可解すぎる行動の示す意味を、しっかりはっきりと聞いてやるっ。
意を決して、
つかつかと、純ちゃんの前まで歩み寄り、キッとその顔を睨み上げて口を開いた。