黄昏色に、さようなら。
あれ?
やだ、何これ?
貧血?
クラクラと揺れる世界。
『ごめんな』
グルグル巡るのは、紡がれた言葉と、頭に置かれた手のひらのぬくもり。
そして、
脳裏に浮かぶ、一面の鮮やかなオレンジの色彩。
それはまるで、沈み行く夕日を抱く空のような、どこか切ない、
――黄昏色?
足元から力が抜けて、カクンと膝が前に折れた。
「ちょっと、風花!?」
驚いたような良子ちゃんの声が、遠くに聞こえる。
ああ、ダメだ――。
『風花』
闇に意識が引き込まれる刹那。
私の名を呼ぶ純ちゃんの声を、聞いた気がした。