7つ真珠の首飾り
そうしてわたしたちは、会うたびに、「また明日」を言い続けた。

何度も会って言葉を交わすたび、彼はおそらく、わたしと同じような感情を持っているようだとわかるようになった。


彼もわたしも、お互いとお互いの世界に対する興味や相手に持つ感情について、あからさまな言葉にして伝え合っていたわけではない。

だけどこれだけ毎日のように言葉を交わしていれば、おのずとわかってくるものだった。そういうことにはティートと出会って初めて気づいた。



わたしたちが会う場所は、ある時から特殊な場所へとかわった。

それまでは最初に会ったのと同じ浜辺で、人目の少ない早朝という時間に会っていた。
けれど、見つかる危険性と、わたしが早朝に家を出るのを1度見つかりかけた事件から、ティートは人目につかない安全な場所を探して来たのだった。


「ここからは、少し遠くなってしまうんだけれど」


申し訳なさそうにティートは言った。

確かに徒歩では少し時間のかかる場所だった。しかし、誰かに見つかることを考えると、贅沢は言えない。わたしが歩けばいいだけならば全然構わなかった。


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