7つ真珠の首飾り
「――何……?」
思わず呟いてから、わたしはその綺麗な色をしたものに近づいていった。
あまりに鮮やかな色のそれは、わたしの日常には存在しないものだった。
それだけに、もしかすると偶然流れ着いた米国の兵器でないとも限らない。
そんな考えも確かに頭の中にはあった。
だというのにわたしは全く警戒もせず、ただの好奇心と、不思議な衝動に突き動かされ、先程海鳥たちが囲んでいた岩かげへと近づいていった。
足元で、砂に混じった貝殻が割れる感触を覚えた。
海鳥たちの囲んでいたものを知った時に、喉の奥から音が漏れた。
「あ…………!」
綺麗な色をしたものは、人間の上半身を持っていて、あとの半分に、ウロコの覆う身体を持っていた。
見たこともない程鮮やかな青緑色をしたウロコ。
むき出しの肌は雪のように真っ白で、そこには亜麻色の長い髪の毛がかぶさっていた。
そのために顔は見えなかった。そこに顔があるのかどうかもわからなかった。
恐ろしいと思った。本来足があるはずの場所に、それがなかったからではない。
明らかに異生物であるそのうつくしいものに、自分がどうしようもなく心を動かされているというその事実を、わたしは恐ろしいと思ったのだ。
思わず呟いてから、わたしはその綺麗な色をしたものに近づいていった。
あまりに鮮やかな色のそれは、わたしの日常には存在しないものだった。
それだけに、もしかすると偶然流れ着いた米国の兵器でないとも限らない。
そんな考えも確かに頭の中にはあった。
だというのにわたしは全く警戒もせず、ただの好奇心と、不思議な衝動に突き動かされ、先程海鳥たちが囲んでいた岩かげへと近づいていった。
足元で、砂に混じった貝殻が割れる感触を覚えた。
海鳥たちの囲んでいたものを知った時に、喉の奥から音が漏れた。
「あ…………!」
綺麗な色をしたものは、人間の上半身を持っていて、あとの半分に、ウロコの覆う身体を持っていた。
見たこともない程鮮やかな青緑色をしたウロコ。
むき出しの肌は雪のように真っ白で、そこには亜麻色の長い髪の毛がかぶさっていた。
そのために顔は見えなかった。そこに顔があるのかどうかもわからなかった。
恐ろしいと思った。本来足があるはずの場所に、それがなかったからではない。
明らかに異生物であるそのうつくしいものに、自分がどうしようもなく心を動かされているというその事実を、わたしは恐ろしいと思ったのだ。