月の恋


いやいやいや!

『夫婦なんかなってへんから!!!』



ありえないとばかりに生綉姫は自身の目の前で両手を左右に振る。


だがあまりにもはっきりと告げた言葉は部屋を今まで以上に静まりかえらせる。


そして、そんな静けさを破ったのは…









「「「「「はあああぁぁぁ!」」」」」

『っ!』




皆の叫び声だった。










『なっ!何やねん!皆してそんな大声出してめっちゃビビったやん』


皆の出した大声に驚いた生綉姫は今だドキドキいってる心臓に手を当て皆を見渡す。

そんな生綉姫に先程、大声を出した内の1人…雷寺(らいじ)が早足で近寄って来てそのまま生綉姫の目の前に座り口を開く。



「何だじゃねーだろ!お前さっき鬼壟に返事してたじゃねーか!!」

『いやいや!してへんから!!』

「っんな訳ねぇ!俺はこの耳で『つーかあんた汚い!!』」

「あ゛ぁ!!」



言葉を途中で止められたあげく自分に『汚い』発言した生綉姫を雷寺は睨みだす


『だって何かあんた汚い!顔とか服とか頭にまで食べかす?みたいなん付いてんねんけど!!』

「………てめぇ」

『何であんたっていっつも臭かったり汚いんよ?』

「……てめぇ…が」

『マジ不思議でしゃーないねんけど』

「…てめぇが…お」

『まぁ…とにかく風呂入っといでや』












「てめぇが俺の顔面向かって吹いたんだろーーが!!!!!」









『………え?』


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