月の恋






『……?』


吹いた?うちが…?



身に覚えがないとコテンと首を傾げた生綉姫に雷寺が顳み(こめかみ)をピクピクさせながら生綉姫の肩に両手を置いて鋭い視線を送る。


「てめぇ……いいか!!よーーーーく思い出せ!つい5分前のことだ!マジ思い出せ!今すぐだ!5秒以内に思い出せ!!」

『うああああぁぁ~~分かった!分かったから揺らすなーー!!』

てか唾飛んできてるからー!
離せーーー!


雷寺は言葉を発してる内に生綉姫の肩へと置いていた手を前後へと激しく振っていた

「おお…わりぃ、で!思い出したか!」

『う~気持ち悪かった…』

まだ頭揺れてるみたいや~


生綉姫は雷寺がら少し距離を置き、少し前の記憶をたぐりよせた。


5分前…5分前なぁ…え~~と…確か…







ーーーーーーーーーー


5分ぐらい前いうたら…


咲羅と話してた時やんな…






「……おい」

『ん?何~?』

「……この後お前は部屋に帰るなよ」

『は?何で?食べたら戻るに決まってるやん』

「………それは駄目だ」

『だから何で?』

「………鬼壟様の部屋で初夜を『ブーーーー!!!』」

「うわっ!!」




ーーーーーーーーーー



……ありゃ?何か今…野太い声があった気が…


生綉姫はしばらく『う~~ん』と唸った後目の前の雷寺を見て


< 102 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop