月の恋




『あぁーーやっと終わった~』

その声と共に椅子全体に己の体重を預けるとふと壁にかかった時計へと目を向ける。



『…うゎ』

夜の7時って…何かいろいろ考えてたらけっこうかかってもうたなぁ~

外も真っ暗やしはよ帰ろ

生綉姫は急いで机の中にある物を鞄に詰めると書いた反省分片手に教室を出る。

もうほとんどの教師が帰った職員室に反省文出して急いで外にでる。


『うぁ~』
夜の学校って超デストロイヤー

校門近くまで来た生綉姫は暗闇の中、薄気味悪い雰囲気を纏(まと)う学校を見上げて苦笑いをこぼしながら早足で家路を急いだ。








この時気づけばよかったんだ…
誰も行けるはずのない屋上に人影があることに…そしたら走って逃げてコバヤンに電話して3人で一緒に帰って無事でいれたかもしれないのに


明日も普通に過ごせたかもしれないのに……


この時、うちは気づくことができんかった……


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