月の恋


『何笑ってんの?』

クス

「姫…確かに“キゾク”と申しましたが貴族でわなく鬼の族と書いて我等は“キゾク”と呼んでおります」

あぁ~なるほどね

ん?待てよ…今「鬼」とか言いよったよなそれも「我等」って…コイツ


『ーーっ!あっあんたもしかして鬼!』

「はい」

認めよった!認めよったで!

こんな普通に『いちご好き?』「うん!好き」的な!なんも問題無いみたいに!ノープロブレムに!

大丈夫なん!学者さんびっくり仰天!明日のニュースぶっちぎり!?そのネタ手に入れたん誰?え?うちやん!いちやく有名人!


「まぁこれわ外の世界には知られてないので姫様は知らないでしょう…もし知った者がいるのなら」


『い…ぃるなら?』


ーーニッコリ

「存在を消すしかないですね」


…何か言いよったー!!



『私はなんも知りません!見てません!聞いてませーん!』

急いで両耳に手をつけて聞かざるポーズ

けど時すでに遅し…

「大丈夫ですよ姫だって貴女は…」

え?何?何でそんなに睨んでんの?向こうになんかある?

ゆっくり彼が見てるほうに顔を向ける

『なんも見えやんで?』

「姫、時間がありません。少しの間お眠り下さい」

その声に答える間もなく目の前に手がかざされる

重くなる瞼







「我等が国に主が戻る」


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