月の恋
『ダァーッどないしろ言うねん!着物の着方なんか知らんねん!』
あれから置かれたご飯をたいらげ着物をそれっぽく着てみたものの結果はグチャグチャ。
つーかうちの制服どこ行ってん
そんなこんなで今だ着物を着れず眉間の皺が増えるばかり
そんな時…
ーーーガチャ
「……まだ着ていなかったのですか?」
鼻で笑いながら見下してくるさっきのお手伝いさん軍団が部屋に入って来る。
『…着物なんて着たことないんで』
「………」
ーークス
ーーッイラ
「分からないのなら呼んで下さいと言いましたよね?」
『っな!!』
嘘つけ!一言も言っとらせんやろがぁー!
抗議をしようとした瞬間、後ろに仕えてた何人かの女の人が急に帯を締め始めた
っ!く…苦しい!ちょい待てー!
着物をきっちり着さされた後、部屋を出て建物の外まで連れ出された。
外に行く間も始めてきた着物に歩みが遅くなる生綉姫にはお構い無しにさきさき歩いてくお手伝いさん達。
こんななんも分からんでかい建物で一人になったら一生出られへん!
転びそうになりながらも必死について行きやっと外までこれた。
外につくとよく平安時代に移動とかで使われた牛車があった。
そこに有無を言わさず生綉姫は押し込まれた。
どれぐらい揺られただろう
外はもう薄暗く虫の声が響いてる