月の恋


何か失礼やないコイツ…人に名前聞いといて豆鉄砲くらった鳩みたいな顔して返答なしかい。




『…なぁ』


「………」

ムッ


人の顔ガン見すんなや!これでも一応年頃の乙女やねんぞ!恥ずいやんけ!





『なぁってっ!!!』
ッグイ!


『っ!!!』


気づいた時にはすでに遅く生綉姫は鬼壟の腕の中にいた



ギャアアアーーーー!!!
なっなっな何しとんじゃこのボケーー!



腕の中で逃げようと必死に暴れる生綉姫をなおさら腕に力を入れて逃がすまいとする鬼壟


『っは!離せー!』


叫ぶ生綉姫にお構いなしに耳元に口を近づけ呟く


「…お前の母の名は?」




ゾワゾワゾワー!
鳥肌が生綉姫の体を支配する

キショイーー!
『み耳に口つけんな!キモいねん!離せ!!』



「…答えろ」
答えれるかーー!



すぐさま心の中でツッコム

「…お前の…」



「…母の…名は?」



な何なんやコイツ…何でこんな









「…名…は?」

震えとんねん…?


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