月の恋
『あ…あははははは』
「………」
「………」
「「「………」」」
苦笑いをする生綉姫だったが帰ってくるのは沈黙だけ。
「どうかなさいましたか?」
そんな中たまたま通りかかったメイドが廊下で固まってる生綉姫に声をかける
メイドはゆっくり近づいてき、ボロボロになった扉を見つめ部屋の中を見た。
「っ!鬼壟様!!」
メイドの驚いた声にやっと思考が動いた生綉姫はすぐさま声をかけた。
『あの!トイレ!トイレって何処ですか?』
「…えっ?あ、それならこの廊下を真っすぐ行って右に曲がったとこにありますけど…」
『ほんまに、ありがとう!』
言うが否や生綉姫は走りだす
「ひ……姫!」
生綉姫が走り出した直後、蒔騎が叫び鬼壟の腕を払いのけ蒔騎も走り出す
「お待ち下さい!姫!」
「なっ!待て蒔騎!!まだ話は終ってねぇーぞ」
その後を鬼壟も追いかけだした。
部屋に残ったのは風雅と月鬼族とメイドだけ…ただ呆然と廊下を見つめていた。