月の恋


『…ん』

此処は…何処や?
真っ暗で何も見えへん


どっちが上でどっちが下なのかも分からない真っ暗闇に一人、生綉姫はいた。


『夢?…にしては変な感じ~』

一人でまるで宇宙に居るようにプカプカ浮きながら胡座をかき腕を組む


そんな時ーー




《…さま》

小さな声が暗闇に響く

ん?なんや?

小さな声が聞こえたかと思うとずっと向こう暗闇の中にかすかに光が見えた

生綉姫は暗闇の中を泳ぐように進んで行く

……あっ!

『…子供?』


光に近づくにつれ光の中に小さな女の子が居るのが見えた


はっきり顔は見えんけど女の子やんな?

てかな、つーかな、何か熱いねんけど!!何でなん?夢って熱いとか感じるっけ?

近づけば近づくだけ周りも熱くなってくるなぜかなんて分からない…だだ分かるのはまるで炎の中にいるみたいだった


光の中がはっきり見えてきたころ生綉姫の額からは大粒の汗が流れていた。

それでも生綉姫はまだまだ近づく…

まるで何かに引き寄せられるかのように。

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