月の恋


『…やっぱり女の子やったんやな』


後ろ姿ではあるが桜色の着物を着て柔らかそうな髪は頭の上でポニーテールにされている。


この子何でこんなとこにおるん?
背丈からしてまだ2、3才ぐらいやろ?

《か…さま》

また小さな声が呟かれる


生綉姫は声が聞き取れずまた一歩光に近づいた。

そしてーー

《かあさま…どこ?》

聞こえた。


迷子か?

『…なっ!お嬢ちゃんどうしたん?迷子?』

生綉姫は光の中の女の子に声をかける


《あなたは…誰?》

声が聞こえたのかゆっくり振り返る女の子に生綉姫は優しく微笑みながらまた問い掛ける。


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