月の恋


生綉姫の声を無視して言葉を発しゆっくり近づいてくる5,6人の集団その先頭に立つ1人の女性が生綉姫を見下ろす。


なんやこのハデハデねぇ~ちゃんは、胸元開けすぎちゃうか?


生綉姫の目の前に立った人は、紫色の着物を着て胸元を開け着崩してる状態。


そして、紅を塗った唇が妖しく動く

「ほんと、汚い生き物ねぇ~。な~にその服、みすぼらしい色。顔だって紅一つ付けずによく部屋からでられたわねぇ」

ーークスクス

『…あんたみたいに厚塗り化粧よりわマシやと思うけど』

「っ!」

『それからこれは“制服”ゆうちゃんとした服やねん。この服、馬鹿にしたら毎日着てがんばってる学生さん怒らすで。てか、服のことであんたに言われたないし。そんなだらし無い格好してるほうがおかしいやろせっかくの着物やのに意味ないやん…』


「あっ!あなたにこの美しさが分からないの!!」


あぁ~あ、いくら美人でも自分で言うたらアカンわ~


「なにより!どうしてあんたが鬼壟様と同じ髪色なのよ!薄汚い人間のくせに!」

はぁ!意味分からん!髪の毛黒なんは当たり前やろ、うち日本人やねんから!

確かにここで黒髪なんはうちとあの変態男(鬼壟)しか知らんけど…他は赤とか青とか緑とか黄色とか目の前の人やって青やけど…それでも言い掛かりや!美羽やって黒やし!うちだけやあらへん!!


『勝手なこと言うな!黒なんは当たり前や!って何持っとんねん!』

ハサミィーー!それで何すんねん!?


「そんな髪、全部切ってあげるわ…」


『ちょっ!おちつけ!』

「あんたなんか…」

いやーーーー!!


髪の毛を捕まれそうになったときーー


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