月の恋


「でっですが!この者が皆の仕事を邪魔したあげく私を薄汚いと言ってきましたので!部屋にお戻りになるよう説得しておりました!」

はぁーーー!!!
何言うてんのこの人!

『っちょ!「暁岾様どうかこの者をこの屋敷から出て行くように鬼壟様に申し上げてはいただけないでしょうか!見下され、けなされるなど、これでわ必死に働いている私が報われません!」


鈴の声が廊下に響き渡る。


生綉姫はあまりの出来事に混乱する

このねぇーちゃん何言うてんの?
仕事もせんといちゃもん付けてきたんそっちやろ?

うちがいつ見下して、けなした?
どっちかって言うと逆やろ逆!!


生綉姫は鈴に詰め寄ろうとした瞬間……


ーーザッ

「鈴…貴女には伯牢室(はくろうしつ)に入っていただきます」

生綉姫の歩みを止め、暁岾が言葉を発する。








「……え?」

鈴は今しがた聞いた暁岾の言葉が信じられず困惑する


「…あき…や…まさま……何故で…すか?」

震える声をやっと絞り出した鈴は暁岾を見上げ問う。

それを冷たい眼差しが見下ろす。


そして、廊下には暁岾のため息が響いた


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