月の恋


「生綉姫どぉしたん?」

前に座る美羽が声をかけてくる

『どないしたもこないしたもない!人が消えた!』


生綉姫が校門へと視線を向けた時遠くてはっきり顔までは見えなかったが…

確かに目が合いそして合った瞬間その口元に笑みを浮かべ驚いてる生綉姫の視界から綺麗に消えていた。

だがそんなことを言う生綉姫に皆もちろん「はぁ?」と声までそろって不思議な顔をする。


自分でも変なこと言うてんはわかる!やけどこの両目2.0でしっかり見たんや!シュッってアニメみたいに消えたんや!

「どうせ寝ぼけてたんやろ?」
美羽が呆れながらに呟く

『ちゃうって!ほんまに』

「天上さんいい加減にしなさい!放課後生活指導まで来なさい!」

生綉姫の声を掻き消すぐらいの声で河田が怒鳴る。


やってもうた~…は、すでに遅くタイミングよく終わりのチャイムが鳴る

チャイムと同時に河田も出てく…


ガーン…サイアク


「あぁ~やってもうたな鬼ババはいっちゃん話長いし気つけな」

ほんまに終わってる。

『なぁ美羽~終わるまで待ってて?お願い』

「や~だね今日は、はよ帰りたいし」


…だよね…


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