月の恋


ーーパカ






『……?…ネックレス?』


箱の中には一つだけ…
どこにも光などないはずなのに小さく光を放つネックレスがそこには入っていた。





『めっちゃ…きれぃ』


そのネックレスにはただ一つ水晶玉が付いているだけのいたってシンプルなのだが…


『水晶玉の中に……月?』


すごい…
本物の月が入ってるみたいや

コレ満月になったりするんかな?
なったらめっちゃ綺麗やろな~


水晶玉の中の月は三日月が少し膨らんだ時の形をしている…






『ほんまに…綺麗』

不思議と、どんなに見ても飽きないネックレスに何故か心が休まるのを感じていた

ーーその時…







ーーッガタ!



えっ!なっ!何!!

何の前触れもなく部屋に響いた音に肩が少し上がる。


もう少し先の方で、物音だろうか確かに生綉姫の耳にはその音が届いた。


な!何で音がするん!今この部屋ってうちしかおらんのちゃうの!?


ーーーッガタ!ガタ!
『ーーーっ!』

動けないでいるとまた音が部屋に響いた
今度は確実に……。



生綉姫は立ち上がり恐る恐る音が聞こえたほうに近づく。


だって!めっちゃ気になるやん!
もしかしたら本か何かが落ちただけかもやし!うちはこーゆうのん確かめたなってまうねん!ホラー映画を布団に潜って小さい隙間から見てまうのと同じやん!
わかる!?



怖さのあまりか一人で心の中で逆ギレぎみに言いながら少しずつ近づいていく。





ーーートン

ん?あれ?…また扉?

少し歩くとまた扉がそこにはあった。


音した方に来たらまたまた扉さんと出会ってもうたで。

…でもこん中から音したよな?



生綉姫はドアノブを持つとゆっくり引いた

そして…ほんの小さな隙間から中を覗く。

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