月の恋
儚い夢は、幻の光…
生綉姫はマーガレットが咲きみだれている中へと歩んで行く。
ゆっくりしゃがみ込み…。
『…懐かしい』
優しく触れる。
何でやろな?
母親との思い出なんかもう忘れてもうたはずやのに…
あの時のことだけは今も覚えてる。
はぁ~~~ぁ……
何か辛気臭さなってもうたな~
「…………。」
…………ん?
「…………。」
…………え?
『っだぁーーー!!』
ーーーーッズサズサズサ!
『っだだだだ誰やねん!!』
いつから目の前におってん!このじぃーちゃん!!
「…………。」
『…あの~おじいさん?』
「…………。」
『お~~~い…』
「…………。」
じーーーーーーぃ
『……………』
……マジなんなん
じーーーーーーぃ
そない見られても……。
「っふぉふぉふぉ~」
『っ!!』
笑ったーーー!!
「あんた誰?」
『っえぇ!!』
「…………。」
じーーーーーーぃ…
『う、うちは、生綉姫っていいます。……おじいさわぁぁぁぁぁああ!?って何処行った!!』
えっ!えっ!今1秒もなかったやんな!
やのに……っ消えた!!
「っふぉふぉふぉ~」
『っ!!』
後ろーー!!
「ん?……あんた誰?」
えぇーーーー!!
『み、生綉姫です!!』
「ミタラシ団子が食べたいのかぁ~」
言ってませーーん!!
「困った女子(おなご)じゃのぉ~っふぉふぉふぉ~」
『………。』
…もぉ…いいっス。