月の恋
その頃………ある一室でわ。
『はぁ…はぁ…つ…疲れた』
「………」
『…~~っ!』
コ~イ~ツ~!!
何シレっとした顔してんねん!!
それに!
『何やねんこの格好わ!』
こんな結婚式でしか着いひんような真っ白な着物を何でうちが着てんねん!
『めっちゃ動きにくいんですけど!』
「………」
あっそっ!無視!無視ですか!
もー分かったそっちが無視するんやったらこっちだって無視したるわ!
『………』
「………」
『………』
「………」
只今、両者睨み合っております。
あれ?
てか何でうち睨まれてんの?
『………』
「………」
ほらまた。
それに…このねぇーちゃん格好が…
生綉姫は改めてじっくり咲羅を見る…
その格好はまさしく
『……忍者?』
「………」
ん?なんか…
めっちゃ勝ち誇った顔してません!?
『えっ?えっ?…あぁーー!負けたー!』
そうやん!うちら今【無視しまっせ~対決】しとったんやーー!!
『くっそぉーー!!』
って…ちゃうちゃう
生綉姫はうなだれていた顔を上げ目の前で壁にもたれる咲羅を見る。