月の恋
「………」
うわ~~めっちゃ機嫌悪そう……。
眉間に皺を何本も寄せた鬼壟がそこには居た。
そしてその鬼壟の目線はあきらかに生綉姫達を見ている。
生綉姫は訳が分からないという感じに鬼壟に声をかける
『何でそんな機嫌悪いん?お酒で酔ったんなら、はよ部屋行って寝たら?』
「っば!おまっ!!」
生綉姫の突然の言葉に隣に居た太奇は焦りだす。
コイツ何言ってんだよっ!!
鬼壟様と言い合ったり、あの雷寺の力すら効かない時点で変なヤツだとは思ったけど今のはありえないだろ!!
コイツ死にたいのか!?
今機嫌が悪いのはお前のせいだろっ!
これ以上この部屋の空気を悪くさせんな!気づけよっ!!
だがそんな太奇の気持ちも…否、この部屋の妖怪達、皆の気持ちも知らずに…
『あっ!もしかしてお腹痛いん?ならはよトイレ行きや』
などと陽気に喋っていた