月の恋


「生綉姫……顔上げろ」


『っ!!』


鬼壟はそう告げると生綉姫の顎の下に人差し指をもってゆき上に向かせる。


せこい…せこい!!
そんな急に優しい声で初めて名前呼ばれたら逆らわれへんやん!!



ゆっくり顔を上がった生綉姫はあの恐ろしいぐらい綺麗な紅い瞳と出会う


「……赤」


『うっさいわ!てか手離せ!』


生綉姫の顔があらわになるとその顔はまるでタコのように赤かった


「ダメだ…手離したらまた下向くだろ」

『っ!!』
図星付かれたー!!


生綉姫はどうやって今の状況から逃げるかを必死に考える。



「…何でそんな赤いんだ」


鬼壟はよっぽど不思議なんだろう少し体を屈め生綉姫の顔に顔を近づける。



『っ!!!』

赤なるん当たり前やろ!生まれて初めて告白されてんねんから!

それもいきなりプロポーズって!恋愛初心者のうちには心臓もたんーーー!!



「おい…お前熱か」


ちゃうわボケ!!


『!!!』
それ以上顔近づけんな!


「おい…?」



やめっ!









や!や!や!










『やーーーー!!』


ーーーーッゴン!ドーーン





そのあまりに大きな音は部屋を通り越し廊下まで響いく……。


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