聖夜の夜に……
この子も重い病気なのだろう。
鼻には酸素の管が付けられ、顔色も悪い。

ふとぼくはベッドの背につけられた、ネームプレートを見る。
そこには川原絵梨と書かれていた。
「えりちゃん……か……」

この子も近いうち、あのリストに名前が載るのだろうか……

ふとやるせないような、そんな気持ちになった。


ぼくはその子に背を向け、病室を出る。

みゆきちゃんは集中治療室へと運ばれていた。


まだお父さんとお母さんは来ていない。

「もう少し待つか……」
ぼくは小さく言った。
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