聖夜の夜に……
それからもなんとなく気になって
ぼくは仕事の合間に、たまにえりちゃんの病室を覗くようになった。

病院の庭にもクリスマスのイルミネーションが点灯し、
えりちゃんの枕元のテーブルにも小さなクリスマスツリーが飾られた。

年末はなんとなく仕事が増えるような、そんな気が毎年する。


病院の裏庭を通った時
ベンチに座り泣き崩れる、えりちゃんのママの姿を見つけた。

隣でそれを支えているのは、えりちゃんのパパであろう。

ぼくはそっと近付いた。
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