聖夜の夜に……
「えりっ!!えり!」
お父さんがえりちゃんの手をしっかり握りながら叫ぶ。

「えり、あなたはあなた。

誰もえりの変わりになんてなれない。

ママの子が
えり……あなたで良かった。

あなたを産んで良かった。

本当に自慢の娘よ

だから…
えり……お願い……」

お母さんは涙声で声を詰まらせながら、えりちゃんの顔を覗き込み必死に呼びかけるが、

一瞬だけでも意識が戻った事が奇跡なのだ。


もう、無理だろう……。
< 36 / 46 >

この作品をシェア

pagetop