聖夜の夜に……
ふとぼくの目に、えりちゃんが大切にしていたクマのぬいぐるみがうつった。

それはお父さんの手にしっかりと握られ、えりちゃんをじっと見つめている。

着ている服は新しいけれど、長い間大切にされてきたのか
クマの生地はだいぶくたびれ

あちこちほころびを縫い直したあともある。


こげ茶色の毛に赤い色のリボンと、リボンに付けられたネームタグ……

どこかで見た事ある
突然そんな気がした。

このぬいぐるみと過去の記憶が少しずつ繋がる……。

遠い記憶……
ぼくが、今と違う仕事をしていた時の記憶。
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